旦那さん(彼)がなぜそんなに怒るのか。①怒りの理由を理解して関係を深める方法 #006
けんかをしたり、二人のことで彼に話したいことがあって伝えた時に、彼が感情的になって怒り始めてしまう、なぜそんなに彼が怒るのか。特別な関係のはずなのに、どうしてそこまで傷つくようなひどいことを言うのか。
普段は穏やかな彼なのに、突然ひどく怒り始めた時、あなたは何が起こったのかわからず混乱して、誤解や行違がないように自分の考えや気持ちを必死に説明をしたりしますよね。でも彼の感情は収まるどころか増々ひどくなる。
この記事では、なぜ彼が突然感情的に怒りだしたのか。どうしてそんなに怒るのか、そしてどう対処すれば彼の気持ちが収まるのかについてお伝えしていきます。旦那さんに限定せず、交際中の彼にも当てはまる内容となっています。
対応の方法を変えることで二人の関係をもっと深めることができます。
男女の感じ方の違いや、幼少期の愛着形成なども踏まえた内容となっています。ご覧いただくと、彼が求めている女性像も理解できるかと思います。
ここでは男性側に視点を置いて男性の気持ちに寄り添う形でお伝えしていきますが、パートナーの男性から辛辣な言葉を浴びせられた女性のダメージは言葉では言い表せないほどのものです。
次回の②では女性のお気持ちをメンテナンスする内容をお伝えします。
Ⅰ なぜ、彼がそれほど怒るのか。彼の心理を理解する。
1 味方だと思っている人から否定されたと感じる
時代が変わっても男性である限り、自分がパートナーの女性を守り、頼られる存在でありたい、自分が引っ張っていきたい、と本能で感じています。これは男性ならではの心理です。だから特別な関係になるときには、自分のことを受け入れてくれて、認めてくれる人、一緒にいて喜びを感じられ、精神的な支えとなってくれるような人を求めます。
つまり、交際や結婚に至ったあなたのことを一番の味方になってくれる存在だと思っています。男性にしてみれば交際したり結婚したりするということは、そういう存在に出会って、後は二人で仲良く過ごせばいいんだと思って安心している状態です。
でも女性はちょっと違います。
交際や結婚に至るまでと、関係が発展した後では、彼への関わり方、そして彼に求めるものが変わりませんか。関係が曖昧な時なら彼の考え方ややり方に口を挟んだりすることもそれほどなく、「こういう側面もあるんだな。」程度に受け止められたのではないでしょうか。でも交際を始めたり、結婚すれば、一緒に時間を共にする関係になったわけですから、お互いが気分良く過ごせるように変えてほしいところがあれば彼に伝えようとしますよね。もしくはそう感じていることを知ってほしいと思います。だから彼に話をします。彼にも理解してもらって、やり方や考え方を変えてもらいたいから。
ところが彼からしてみると、それまであまり不満を言わなかった彼女が、自分への不満やダメ出しをしてくる、これが結構衝撃なんです。そして幾度となく同様のことが続くと「あんなに自分をたててくれていたのに、好きだと言ってくれたのに、俺のすることがそんなに気に入らないの?」と感じます。
女性はただ気づいたことを伝えているだけですが、男性の受け止め方は丸っきり違って、自分の考え方ややり方が間違っていると否定されたような感覚になっているんです。
話の内容が本当に些細なことでもです。内容の大小は関係ありません。お店選び、運転の仕方、日々の日常生活、片付け方など。
例えば
彼がランチのお店にA店を提案した時、あなたが「A店はメニューが少ないから、B店の方がいいんじゃないの?」と提案をします。けれど彼の解釈は、理由ではなく自分の考えが受け入れられなかった、ということに意識が向きます。でも小さなことで揉めたくないのでその場では「わかったよ。」と軽く流して同意します。
ですがこういうやりとりが度々あると、彼は自分の考えを受け入れてもらえていないとか、ダメ出しをされているように感じます。自分が尊重されていないように感じ、男性としてのプライドを傷つけられているかのように受け止めてしまいます。そして限界を感じ突然怒り出してしまう。
ちょっとしたことであっても彼からしてみると「また?そんなに不満なの?」と受け止め、「俺が言ってもどうせ気に入らないんでしょ。」という感情と、自分が伝えていることをそのまま飲み込んでもらえない苛立ちを感じて突然怒りに変わってしまうということです。
2 彼が自分の気持ちを我慢しているから女性は気付きにくい
男性は自分が感じている気持ちを言葉ではあまり表現しません。自分の気持ちを人に話したりすることが苦手です。パートナーと考えの相違があっても、多少のことであれば目を瞑ります。些細なことに不満を言うことはみっともないことだし、男らしく寛容でありたい、そしてできるなら彼女と揉めずに、気分良く、仲良く過ごしたい。だからちょっとしたことであれば何も言いません。
男性にしてみると、自分は良好な関係をつくるために不満を言わずに我慢していて、波風立てないようにしていて彼なりに気を使っていると思っています。
そこに女性が彼に変えてほしいことなどを伝えてきて、ダメ出しをされる。男性は女性がそんなことを思っているなんて想像もしていないので、突然自分への不満を言われたように感じて動揺してしまいます。
でも言ってくれないから女性は彼の不満に気付くことができません。彼が怪訝な顔をしたとしても「わかったよ。」と言われれば「そうなのかな。」と思って受け流してしまいます。
そしてこれが繰り返されると、彼の中で突然我慢の限界を超えてしまいます。優しくて真面目で我慢強い男性ほどそういうことが起こります。
予兆としては普段の会話での反応がややあっさりしていると感じたり、何となく彼が本音で話していないように感じたときは要注意です。このタイミングを逃していくと、修復に時間がかかる事になってしまいます。
3 自尊感情の低さや自信のなさ
感情的にすぐ怒り出す、と言う男性の場合、自尊感情の低さが考えられます。日本の子どもは自尊心(ありのままの自分を認める感情)が低いと言われていますが、50代くらいの大人でも幼少期で体得した感覚は簡単には払拭できていません。
共働きの影響もありますが、親の忙しさや経済状況、夫婦関係や家族関係の問題により、幼少期に満たされる愛情を受けられなかった場合、子どもは自分の価値を低く評価してしまいます。
けしてネグレクトなどの深刻な状況に限らず、ごく普通の家庭においても子どもの声にすぐに耳を傾けていたかた、家庭が安心できる場であったか、子どもとの対話があったか、家の中に笑い声が響いていたのか、子どもが悩みを打ち明けられる親子関係であったかなどが影響します。
親御さんが忙しくて意識が目の前のお子さんではなく、自分自身の仕事のことなどに向いていて、お子さんに関心を向ける余裕がない場合、お子さんは常に親御さんの忙しさを感じています。仕方がないことだから無理なことを言わず聞き分けの良い子になります。
さらに弁の立つ親御さんも多く、お子さんが自分の考えを伝えてもそのまま受け入れてもらえるということがなかな難しい。そうすると、子どもは自分の考えに自信がもてなくなってしまいます。
こうした影響から自尊心が低くなってしまいます。
自尊感情が低いと、学校などの集団生活の中で不快な思いをすることが起こりやすくなります。引き寄せ理論、波動の法則で考えても、ネガティブな感情で過ごしていれば、それに応じた出来事が起こりやすくなるわけですから。
成育歴で培った自分への価値観、そして学校生活などで体験した経験、こうしたことにより自尊感情が低くなってしまう。そして大人になってから、味方のはずのパートナーから何かの指摘を受けた時に、ばかにされたと感じてしまったり、物事を悪く解釈してしまい、女性が話し合おうとしても自分が責められている、見下されていると解釈して感情的に怒り出してしまうということです。
4 自己防衛反応
過去に傷ついた経験や、見下されたように感じたことや、人から投げかけられたネガティブな言葉が潜在意識に入り込んでいて、もうこれ以上傷つけられたくないという思いから自己防衛として怒りで表現する場合もあります。
あなたが彼を傷つけようと思って言っているわけではないのですが、女性の指摘って鋭くってかなり的確なんですよね。真正面から指摘を受けると男性は男としての自信をなくしてしまいそうになるんです。
だから過剰に防御しようとして、「そこまで言わなくてもいいのに。」と感じるほどひどいことを言ってくるというわけです。そしてあなたの言い分を聞こうとはしなくなってしまい、心を閉ざしてしまいます。
「もう無理、限界」「二度と元に戻るつもりはないから。」「一緒にはいられない。別れるしかない。」「そういうところが嫌いなんだ。」「言ってもどうせわからないでしょ。もう無理だから。」など。
話の内容以上に彼がきついことをあなたに言う場合、ほとんどがこのように自分の心を守ろうとする自己防衛反応の場合が多いです。けしてあなたを傷つけたいわけではありません。でもあなたがあまりに鋭い指摘をした場合は、彼も最大限言い返したいという気持ちになってしまっているかも知れません。
Ⅱ 彼の感情を静める対処法
お伝えしてきたように彼がひどく怒りだした時、彼の心は傷ついています。女性の視点に立てば「わたしの方が傷ついているよ、気づいてよ!」と言いたくなりますが彼は自分のことで頭がいっぱいです。
旦那さん(彼)の気持ちを落ち着かせる対処法は一つしかありません。彼の気持ち(考え)を一度しっかり受け止める。これしかありません。これをせずにあやふやなまま、とりあえず普通に話せる状態に戻ったとしても、彼は本音を見えなくなってあなたと距離を取ります。
旦那さん(彼)との関係を深めるためには、一度折れて彼の気持ちを汲み取ってあげてください。理解し合う関係にするために、あなたの気持ちをわかってほしい、という思いを少し脇に置いておいてください。
愛情ある関係を築くコツは、「先に受け止め、受け入れる。」です。
まず、深呼吸をして自分の気持ちを落ち着かせましょう。声のトーンは少し低めでゆったりした優しい口調で、 (※女性が早口でまくしたてるような口調で話しかけると、男性は責められているように不快に感じ、一層感情を煽ることになってしまうので。)
「あなたの気持ち(考え)はわかったよ。色々ごめんね。」という言葉だけを伝えてください。この言葉がとても重要です。
彼の怒りがすぐに収まらなかったとしても、あなたから「わかったよ。」という言葉を聞くと、これ以上戦わなくていいと感じほっとして、攻撃的な気持ちが少し和らぎます。本当に落ち着くまでには数日かかることもあります。この間けして、もう一度あなたの考えを説明しようとは思わないでください。説明をすればするほど、あなたが彼の考えを聞いていないように感じて、彼の感情は悪い方向へと進んでしまうからです。
この後は、彼がポツリポツリと話し出す言葉を頷いて聞き「そうなんだ。」「そう感じていたんだね。」「そんな風に考えていたんだね。」「わかってあげられなくてごめんね。」とだけ繰り返してあげてください。彼の考えを飲み込む、というより気持ちを受け止める、という感じです。
こうすることで「あなた(彼)が言おうとしていることを理解しようとしているよ。わたしはあなたの存在を大切だと思っているよ。」ということが彼に伝わります。
男性は自分の気持ちや考えを理解してもらえない女性には心を開きません。例えば話し合いをして、女性が自分の考えや気持ちを伝えようとするほど、男性は自分の意見や考えを踏みにじられているように感じてしまいます。話し合いは平行線にしかなりません。(詳細は「話し合うほど夫婦の関係は冷めてしまいます。#003」ををご覧ください。)
彼が感情的に怒る頻度が増えてきているようであれば、当分はここでお伝えした対処法を続けることをお勧めします。一度不満をもった彼の心を開かせるためには、忍耐強く寄り添うしかないんですよね。
Ⅲ あなたの気持ちにどう向き合うか
ここまで読むと彼の気持ちは何となく理解できたけれど、「じゃあ、わたしの気持ちや考えはどうなるの。」と感じてしまうかと思います。
そうですよね、とても傷つきますよね。精一杯彼に向き合って理解し合おうとしているのに、ひどい言葉を言われたらやり場のない虚しさを感じてしまうと思います。
次の②の記事では、相手から傷つけられた時、どうやって自分自身の心を守るのかについてお伝えします。
今の状態のまま自分の考え理解してもらいたい、という気持ちに固執してしまうと、恐らくお二人の関係はますます悪化してしまいます。彼が怒りを強く表現した、ということは二人にとって大事なターニングポイントに差し掛かっていると受け止めてください。こういう変化を軽く受け流してしまうか、それとも岐路にいるという意識で冷静に判断して行動するかでその後の関係性はまるで違う方向に進みます。ピンチってやっぱりチャンスだと思います。
愛情を育むためには、彼の考えや気持ちを上手に受け入れてあげることがとても大事です。
そして彼も本当は大好きなあなたと、早く本来の関係に戻りたい、穏やかに楽しく会話をしたいと思っています。例え表面的にそうは思えなくても。男性の心の中は意外と純粋です。
実は彼の考えをしっかり尊重して、彼の気持ちに寄り添うように接して過ごしていると、彼は自分の考えよりもあなたがどうしたいのかに意識を向けて物事を考えてくれるようになります。
つまり自分を尊重してくれて、自分の考えに理解を示してくれる、自分にとってとても愛おしい存在の女性のことを幸せにしたい、そう思って喜ぶことをしたくなります。
先ほどもお伝えしましたがピンチはやっぱりチャンスなんです!問題にしっかり向き合えば、必ず明るい兆しが見えてきます。