セックスレス解消のヒント。夫婦交換でセックスレスを解消? ドラマ「夫婦円満レシピ ~交換しない 一晩だけ~」を分析 ~#010~
テレビ東京で「夫婦円満レシピ~交換しない 一晩だけ~」というドラマが配信されていますよね。セックスレスをテーマにスワッピングという夫婦交換をして、嫉妬の感情から性欲を高めてレスを解消する、という常識を超越した、なかなか過激なストーリーですが、お気に入り登録者数がなんと20万人!すごいですよね。
ドラマを視聴する割合は圧倒的に女性が多いですから、多くの女性がこのタイトルやストーリーに興味をもっていることが伺えます。
主人公の悩みのレス(セックスレス=レス)が解決、というテーマなので、恐らく実際にセックスレスで悩んでいる女性も視聴しているのではないでしょうか。
ほとんどの人があり得ない話だと思ってドラマをご覧になっていると思いますが、あえて、果たして夫婦交換でレスが解消するのか、自分の妻が、他の家庭の旦那さんとセックスすることで男性の性欲が高まるものなのか、について深堀りしてみようと思います。
1 まずはあっさり結論から
夫婦のセックスレスの解消という意味では相当難しいかと思います。その理由を挙げてみました。
あくまでわたしの考えです、、、。
①もし実際に夫婦交換した場合、感情のコントロールが並大抵のものではない
このドラマでは2組の夫婦が合意の上、本来の夫婦関係を円満にする目的で夫婦交換をしていますが、これ自体、心理的には受け入れられないことですよね。これをしようと決めた時点から相手の気持ちを勘ぐり始めてしまって、すでに不信感が募るかと思います。「本当は自分以外の人としたかったんじゃないかと。」と。
占いでは風俗のお仕事をしているお客様も来てくださるのですが、お二人とも風俗のお仕事をしていても全ての気持ちを割り切れているわけではなく、嫉妬や不安のお気持ちに悩まされていらっしゃいます。
次の段階として、もし夫婦交換することを二人で決めたとして、最初は遊びのような軽い気持ちでも、自分のパートナーが夫婦交換した相手にのめりこんでいくのではないか、自分から気持ちが離れてしまうのではないか、という不安が湧き出てくるのは自然な感情かと思います。この感情にかなり揺さぶられるかと思います。
もしお互いに相手を信頼できて、愛情を確認しあえていれば、レスという状態にそもそもなっていないわけですから。関係性が不安定な二人には、リスクが大きい行動だと思います。
②旦那さんが自分の妻を他の男性に差し出す?そこに愛情があるのか。
ドラマでは旦那さんが、自分の奥さんによその旦那さんとの不貞を勧めるわけですが、男性は他の男性と関係をもったパートナーを心理的にも性的な意味でも受け入れられなくなると言われます。もともと性行為が子孫繁栄のためのものですから、正当な自分の血筋を残したいという本能的な感覚なのかも知れません。旦那さんから夫婦交換を勧めてきた時点ですでに違和感を感じますよね。
男性にとって自分だけの愛おしい存在であることが、愛情が深まる欠かせない要素でもあります。
もし冷静に夫婦交換という状況が飲み込めたとしたら、すでにパートナーへの感情が冷めているのかも知れません。その場合、夫婦交換は公認の浮気のようなものだから、旦那さんの遊びに付き合うような状態になってしまいます。
③相手を信じるって結構難しいことですよね。
旦那さんも自分から言い出したはずなのに、自分の妻が他の男性に夢中になってしまうのではないかという不安がよぎって、むしろ奥さんへの不信感を抱いてしまうのではないでしょうか。気持ちって数値で証明できないから、いくら言葉で説明されても相手を信じ切るって難しいですよね。
女性の場合はもっと感情豊かですから、日常生活が普通に送れないほど気持ちが不安定になる可能性があります。例え夫婦交換の後に旦那さんが自分を抱いてくれたとしても、本当は夫婦交換した相手に魅力を感じているんじゃないか、比べられているんじゃないかなど、勝手に悪い想像が広がってしまうかも知れません。
相手のことが好きであればあるほど、嫉妬から不安の渦に飲み込まれていくことが容易に想像できます。勝手に湧き出てくる感情って、コントロール不能ですから。
④心理的な依存
愛情を伴わない性行為を堂々とできる喜びに溺れると、依存傾向に陥る可能性もあります。それと同等、もしくはそれ以上の刺激を求め続けてそれが得られなくなると満足感を感じなくなるかも知れません。
穏やかで平凡な家庭生活では満足できなくなる可能性がありますよね。人の感情の一番デリケートな部分が関わることですから、試食のようにはいきません。
⑤記憶はなくならない
もし1回だけで止めたとしても夫婦関係はずっと続くわけだから、安易な気持ちで一度だけだったとしても何かある度に思い出してしまって、二人の関係に溝をつくる可能性もあります。
⑥そもそもセックスレスの場合、お互いに感じていることや問題意識には立場の違いがあって、温度差が・・・。
このドラマでは旦那さんが夫婦交換をしたいと提案しています。マンネリ化で奥さんへの性欲が減退して、再び夫婦で性生活ができるようになるために、「嫉妬」する気持ちを使って奥さんへの性欲を取り戻したいと。
奥さんは二人目のお子さんが欲しくて悩んでいたから仕方なく同意するわけです。つまり、旦那さんも自分がセックスできないことを問題だと感じていて、奥さんと再び性生活ができるようなりたいと願っているわけです。
正直な感想としては旦那さんが性生活に消極的になってしまっている場合、旦那さんからこれほど前向きな提案ができるかな、と思います。ちょっと現実的には考えられないですね。(細かい理由は次の段落で)
二人で同じ問題意識を持てるくらいの関係性であれば、恐らく初めからセックスレスにはなっていないわけです。できなくなっている原因は「マンネリ化」ではなく、二人の関係性の変化なのではないかと思います。
逆にこれほど積極的に前向きな提案をしてきたら、奥さん公認のもとであわよくば他の女性と浮気のようなことをしたい、という下心があるんじゃないかと感じてしまいます。
セックスレスという状態って、夫婦の間ではなかなか話題に出しにくくて、もっと深刻な要因がたくさん隠れていると思います。
⑦セックスレスが起こっている要因はドラマと違ってもっと深刻。
旦那さんが奥さんと性行為をしなくなっている場合、旦那さんの状況や感情は2パターンあるかと思います。
1つ目は、身体的な機能としてできない状態の場合、感じている感情は「罪悪感」「自尊感情の低下」。
この場合、男性も自信をなくしてご本人が抱え込んでいる場合が多いので、自分から解決に向けての方法を提案すること自体が難しいかと思います。ご本人も自分の状況を正しく理解できていない場合も多いと思いますし、自分からこの話題に触れようとしないと思います。奥さんから「どうして?」など聞かれると、一層殻に閉じこもる可能性があります。
原因として考えられることは、仕事や家庭生活、嫁姑問題など何かしらの要因でストレスを強く感じている。それにより、ホルモン分泌が崩れ、男性ホルモンやドーパミン(やる気や性欲などに影響)などの分泌低下が起こっている可能性が考えられます。
2つ目は、奥さんとの関係性がうまくいっていないと感じていて、奥さんと性行為ができるようになることを願っていない。自分の意志なので、今のままで良いと考えている。
女性にしてみたらとても寂しく感じますが、こう思っている男性は少なくないのかも知れません。
男性は仲が良い時は不満を簡単に口にしますが、関係に溝ができると次第に本音を言わなくなります。もめたくないからです。家庭の中では普段通りに過ごしていることが多いです。だから奥さんにしてみれば、そんな風に不満をもたれたり、距離ができているとは感じず、全然気づいていないことも珍しくありません。
だから、なんでセックスレスなのかがわからず悩んでしまうわけですよね。
占いのお客様でもここ数年全くしていないんです、とポツリと話される女性の方が時々いらっしゃいますが、ご本人はその理由がわからずとても深刻に悩んでいらっしゃいます。でも旦那さんの心理を読み解くと、不満であったり、自分の気持ちをわかってもらえていない、安らげないなどの気持ちが次々と出てきます。何も言ってくれないのに、それほどの不満を抱えているとわかったら悲しいですよね。
逆に家庭のある男性と不倫をしている女性のご相談をお聞きしていると、男性は家庭の話を滅多にしないけど付き合い始めの頃、奥さんとうまく言っていないと話していたということが多いです。家庭に居場所がないように感じて外に愛情を求めてしまう。家庭生活は普通に続けていきたいけど、奥さんとの関係を修復できると思えない。占いで夫婦関係をみさせていただくと、ご夫婦関係のバランスが崩れていることが伝わってきます。
2 最近のセックスレスの傾向
最近のセックスレスの傾向として、このドラマの題材どおり旦那さんが性生活に背を向けるようになり、女性が悩んでいるケースが圧倒的に多いと思います。占いのご相談の中でも、女性からの夫婦関係のご相談の場合は必ずこの問題を抱えていらっしゃいます。レスが解消せず、理解し合えないから離婚を考えているというケースもあります。
勝手な推測ではありますが、昭和やバブルの頃はまだ男性優位な社会でしたから、男性は生きやすかったと思います。仕事にも意欲的で、性的な欲求も健全です。だからレスの場合、奥さんに拒まれて男性が悩むパターンが多かったのではないかと思います。
時代が変わり、男女平等の考え方が浸透し、草食系男子という言葉がつくられるほど男性のタイプは変わり、性欲も変化しているようです。
1992年から2015年、18 – 39歳の性行為経験率が減少傾向という調査結果があったり、どういう方法での調査したのかわかりませんが、40〜60代の男性の6割がセックスレスだと自覚しているというアンケート結果もありました。
日本人男性の多くが、何が何でもというほどの性欲ではなくなってきているのかも知れません。もともと男性はかなりデリケートなところがあり、精神的なストレスが性欲に直結すると言われていますから。
3 男性の性欲への誤解
占いの仕事をしていると、女性は男性の性欲を誤解しているなと感じることがあります。男性はセクシーな水着姿を見たり、甘えられたり、頼られたり、体を触られたり、性的な刺激を受ければ欲情して、性行為をしたくなる。
いえいえ、上記でもお伝えしましたがそんなことはありません。性行為をしたいと思って本当に行動するとき、相手との関係性は男性にとって意外と大事です。
男性は相手への愛情があるからこそ気持ちの良いセックスができます。相手と良好な関係性だと思えるから、女性を愛おしいと感じて性欲が高まり、安心感の中でセックスを楽しむ事ができます。女性以上に繊細で心の繋がりを大事にしているのかも知れません。もちろん時代や個人差などで違いがあると思いますが。
安定した関係性の中で、お互いを理解しあえていて、相手が自分のことを大切な存在として認めてくれているという感覚を感じるからこそ、性的な欲求が湧き出てくるわけです。
不倫に対しても、とても慎重な姿勢の男性が多いと思います。リスクを負ってまで、性欲を満たすために相手を探そうとするほどの意欲的な男性はそれほど多くないのではと感じます。家庭でもめ事を起こさず、無難に生活していきたい、そう感じている男性が大多数かと思います。むしろ女性の方が行動的かも知れません。
4 結論
人気ドラマにあやかって思いつくままにお伝えしてきましたが、やはり夫婦交換で嫉妬を利用して、セックスレスを解消する、ということは現実的には難しそうですね。きっとドラマだし、日常とはかけ離れた世界だからこそ多くの方がおもしろいと感じて視聴しているのかも知れません。
セックスレスを解消する方法は、むしろ日常の中での関わり方が影響します。それについてはまた改めて詳しくお伝えしようと思います。